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2012年7月22日日曜日

三重県四日市市の御神木

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名称 堂ヶ山町神明社のクスノキ
    (どうがやまちょうしんめいしゃのくすのき)
名称の典拠 なし(注1)
樹種 クスノキ
樹高 33m(注2)
目通り幹囲 7.3m(注2)
推定樹齢 800年余(注3)
所在地の地名 三重県四日市市堂ヶ山町
 〃 3次メッシュコード 5236-34-31
 〃 緯度・経度 北緯34度56分52秒
           東経136度30分40秒
四日市市指定天然記念物(1959年3月25日指定)
撮影年月日 2009年7月20日

内部川左岸、堂ヶ山町の神明社にクスノキの大木が立っている。堂ヶ山町のところでは、内部川が市境となっており、対岸は鈴鹿市だ。
 訪れたのは、日曜朝の7時半頃。誰もいないだろうと思っていたのに、10人ほどの男性が忙しげに動き回っておられた。どうやら、夏祭りの準備らしい。
 朝の挨拶を交わし、お仕事の邪魔にならないようにするから、クスノキの写真を撮らせてもらっていいかと尋ねたところ、「よく訪ねてくれた」と歓迎され、わざわざクスノキの周囲を空けてくださった。
 クスノキは、地表面付近で大きく根を広げ、しっかり踏ん張っている。クスノキ巨木によく見られる地際の力強い姿である。
 高さ4~5mのところで2本の大きな支幹に分かれ、そのうち1本が途中で失われている。これが元気な頃は、今よりさらに大きな、バランスの良い樹冠を戴いていたことだろう。
 でも、今でも存在感は十分。
 クスノキは、地域の人々の誇りなのだろうと思われた。




三重県伊勢市の御神木

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名称 松下社の大クス (まつしたしゃのおおくす)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 クスノキ
樹高 12m(注2)
目通り幹囲 7.0m(注2)
推定樹齢 伝承2000年(注3)
所在地の地名 三重県伊勢市二見町松下(注4)
 〃 3次メッシュコード 5136-56-94
 〃 緯度・経度 北緯34度30分04秒
           東経136度47分50秒
三重県指定天然記念物(1937年12月10日指定)
撮影年月日 2009年10月10日

樹齢2000年はどうかと思うが、かなり傷みが激しい。
 かつては太い主幹があったようだが、今は中心部がすっかり抜け落ちている。根元付近からひょろひょろ伸びた枝のみが現在の生命を支えている。(かつての姿を想像するには、境内側から見たほうがよくわかる)
 松下社には蘇民将来伝説があり、社叢は「蘇民の杜(もり)」とも呼ばれている。
 そんなことを思い浮かべながら見ていると、この大クスにも悪疫退散の御利益がありそうに思えてきた。




愛知県豊川市、砥鹿神社のケヤキ

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名称 砥鹿神社のケヤキ (とがじんじゃのけやき)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 ケヤキ
樹高 30m(注2)
目通り幹囲 9.3m(注2)
推定樹齢 600年(注3)
所在地の地名 愛知県豊川市一宮町西垣内(注4)
 〃 3次メッシュコード 5237-23-13
 〃 緯度・経度 北緯34度50分49秒
           東経137度25分17秒
愛知県指定天然記念物(1972年6月7日指定)
撮影年月日 2007年2月3日

砥鹿神社は三河国一の宮。本宮山頂に奥宮、そしてJR飯田線三河一宮駅の東600mに里宮(本社)がある。
 祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)。古くから本宮山において祀られていたが、約1300年前の大宝年間(701~704)に現在地に遷座したという。延喜式神名帳にもその名が見え、慶長7年(1602)には本社に100石の朱印地が、翌年には奥社に20石が与えられている(平凡社「愛知県の地名」より)。古くから重きを置かれていた神社なのだ。
 拝殿に向かって右側に、大きな「さざれ石」が奉納されている。大ケヤキはその背後、というか、境内外側の斜面下に立っている。背が高いものだから、境内からもケヤキの姿は認められるが、じっくり見るには、いったん外に出て、ぐるっと回る必要がある。
 ケヤキの根元は、斜面と道路に挟まれ、少し低くなっている。かつてはここに「神泉」が湧き、水が流れていたという。そのため、「みたらい(御手洗?)のケヤキ」とも称されたようだ。
 元来は植えられたわけでなく自生の巨木だが、これだけのサイズになれば、御神木として崇めるに十分である。さらには、県の天然記念物にも指定された。
 在野から努力を重ねて大家をなした苦労人が連想され、なんとなく嬉しくなった。




静岡県静岡市、伊勢神明社の大クス

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名称 伊勢神明社の大クス
    (いせしんめいしゃのおおくす)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 クスノキ
樹高 30m(注2)
目通り幹囲 11.0m(注2)
推定樹齢 伝承1500年(注2)
所在地の地名 静岡県静岡市駿河区小鹿(おしか)
 〃 3次メッシュコード 5238-33-64
 〃 緯度・経度 北緯34度58分20秒
           東経138度25分39秒
静岡県指定天然記念物(1977年3月18日指定)
撮影年月日 2005年12月27日

東名高速道を挟んで、国立静岡大学の反対側、静岡大学の北約700mの位置に伊勢神明神社が鎮座している。住宅街の中の神社だ。
 祭神は天照皇大御神(あまてらすすめおおみかみ)。文禄元年(1592)の創立と伝えている。
 伝承樹齢が正しければ、クスノキは神社創立のはるか以前から生きていたことになる。
 樹齢の真偽はともかく、10m以上もの幹囲を有するにも拘わらず、すばらしい樹勢である。旧環境庁資料にあった「枯死寸前」の文字は誤植だったのだろうか。
 確かに一部の幹には切断された痕が見えるが、大枝の殆どは健在である。横に伸びた大枝などは、文字通り境内を横切って、向かい側の建物の屋根にかかるところまで伸びている。
 市街地でこれだけの樹勢の巨木に出会えたのは驚きであった。




岐阜県高山市、飛騨国分寺の大イチョウ

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名称 飛騨国分寺の大イチョウ
   (ひだこくぶんじのおおいちょう)
名称の典拠 「日本の天然記念物」(注1)
樹種 イチョウ
樹高 37m(注2)
目通り幹囲 10.0m(注2)
推定樹齢 伝承1200年(注2)
所在地の地名 岐阜県高山市総和町
 〃 3次メッシュコード 5437-12-60
 〃 緯度・経度 北緯36度08分35秒
           東経137度15分14秒
国指定天然記念物(1953年3月31日指定)
撮影年月日 2003年7月28日

注1)1995年に講談社から刊行。現地の案内板(設置者及び設置年月不詳)も同じ名称を掲げてあった

飛騨国分寺(注3)は、天平13年(741)、聖武天皇の勅願により全国に建てられた国分寺の一つ。境内からは創建当時の巨大な七重塔の心礎石が発見された。天平の昔から今の場所にあった古刹なのである。本堂(薬師堂)前の大イチョウは、開基の行基菩薩が自ら植えたとする伝承があり、それが樹齢1200年の根拠とされている。
 実はこの大イチョウには、もう一つの悲しい話が伝わっている。
 天平の七重の大塔創建の際、大工の棟梁が誤って柱を短く切ってしまった。悲嘆にくれていたところを娘八重菊が枡組で補うアイディアを出し、おかげで塔は無事に完成した。塔の名声が高まるにつれ、棟梁は自身が犯した過失の秘密を守る必要を感じ、娘を殺して境内に埋めた。そしてその傍らに植えたイチョウが、薄命の娘に代わって長寿を保っているというのである。(国分寺拝観の際にいただいたパンフレットより)
 鎌倉時代以前にはイチョウはまだ日本に渡来していなかったとする説が有力なようなので、多く見積もっても、樹齢は700年以下ということになるが、はるか天平時代を思わせるほどの堂々たる巨樹であることは間違いない。
 孝行娘が化身した(?)大イチョウだが、雄株である。(注4)

注3)飛騨国分寺のホームページには大イチョウの情報がたくさん載っている
注4)講談社「日本の天然記念物」によれば、雄株だが、極小のギンナンをつけるらしい




福井県越前市の御神木

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名称 水間神社のケヤキ
    (みずまじんじゃのけやき)
名称の典拠 「福井県の指定文化財目録」(注1)
樹種 ケヤキ
樹高 30m(注2)
目通り幹囲 7.0m(注2)
推定樹齢 200~299年(注2)
所在地の地名 福井県越前市室谷町(注3)
 〃 3次メッシュコード 5336-72-11
 〃 緯度・経度 北緯35度55分44秒
           東経136度16分00秒
福井県指定天然記念物(1964年6月5日指定)
撮影年月日 2007年5月27日

水間神社の入口に「ケヤキの里」の表示が出ている。参道両側には目通り4~5mとみられるケヤキの巨木。「里」かどうかはともかく、確かにケヤキの神社だ。
 頭領格は参道を進んだ奥、本殿の右手(向かって左)に立っている。腰には立派な注連縄が巻かれている。
 標記データは、旧環境庁が提示した調査要項に則り、高地側の地上1.3mの幹周りを測定したと思われる。ちょうど上図の注連縄の上あたりだが、ご覧のようにケヤキの殆どは、低地側から立ち上がっている。実際に目の前にした印象はもっと太い。
 これだけの巨木になれば当然と言えなくもないが、大枝をかなり失い、樹勢は衰勢に傾きつつある。
 適切な処置が為されて、一気に衰えることはないだろうが、越前市周辺第一のケヤキ巨木として、長くその姿を留めてほしいものだ。




石川県七尾市の御神木

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名称 阿良加志比古神社のスギ
   (あらかしひこじんじゃのすぎ)
名称の典拠 現地の標柱(注1)
樹種 スギ
樹高 35m(注2)
目通り幹囲 6.5m(注2)
推定樹齢 300年以上(注2)
所在地の地名 石川県七尾市山崎町
 〃 3次メッシュコード 5537-30-62
 〃 緯度・経度 北緯36度58分40秒
           東経137度01分56秒
七尾市指定天然記念物(1973年7月25日指定)
撮影年月日 2003年9月14日

国道160号の「花園口」バス停から県道245号(花園藤野線)を、熊渕川沿いに1.5kmほど遡り、集落の切れる辺りで狭い道を対岸に少し上ったあたりに阿良加志比古神社がある。
 現在の地名は上記の通りで味も素っ気もないが、昔、このあたりは大呑(おおのみ)六郷と呼ばれていた。何やら飲んべえには嬉しくなるような地名である。今も南大呑公民館などにその名残が見える。
 閑話休題。
 御神木の大杉は社殿に向かって左横に立っている。地上5mほどで5幹に分かれている。ために「五本杉」と呼ばれることもあるようだ。
 朝日が昇って間もない時間に訪れた。ひどい藪という状況ではないのだが、蚊が多いのには参った。冷夏のあと、しばらく雨が続いたのち、急に気温が高くなったことが蚊の発生に利したのだろうか。虫除けスプレーで防御はしていたのだが、薬液のかからなかった部分を集中的に狙ってくる。団扇での防戦も空しく、数ヶ所刺されてしまった。「耳なし芳一」になった気分だった。