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2012年7月22日日曜日

島根県邑智郡の御神木

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名称 別府八幡宮の大スギ
    (べっぷはちまんぐうのおおすぎ)
名称の典拠 現地の標柱(注1)
樹種 スギ
樹高 15m(注2)
目通り幹囲 6.0m(注2)
推定樹齢 300年以上(注2)
所在地の地名 島根県邑智郡美郷町別府(上城)(注3)
 〃 3次メッシュコード 5232-54-12
 〃 緯度・経度 北緯35度06分04秒
           東経132度31分45秒
美郷町指定天然記念物(2002年12月26日指定)
撮影年月日 2011年8月21日

注1)旧邑智町教育委員会が設置(設置年月不詳)
注2)環境庁「日本の巨樹・巨木林 中国・四国版」による
注3)2004年10月1日、隣接する大和村と合併して美郷町に。旧行政区は邑智郡邑智町

国道375号別府峠を東に下ると、最初の集落が上城(かみじょう)である。国道の北側を並行する旧道(?)沿いに別府八幡宮の登り口があり、案内表示が出ている。
 社殿の前に出ると、左手に大杉が立っている。
 単幹のスギなのだが、上部での枝の出方が均等でなく、ところどころに拠点を作って、そこから集中的に出ている感じ。不格好かも知れないが、それが独特の持ち味を出しているとも言えよう。私は面白いと感じた。
 幹の片面が大きく抉れ、そのため、幹の断面はかなり扁平である。(ここからも支幹が出ていたのだろうか?)
 邑智郡内では、邑南町(旧石見町)の小掛谷のスギに次ぐ大杉である。




鳥取県鳥取市の御神木

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名称 倉田八幡宮のイチョウ
    (くらたはちまんぐうのいちょう)
名称の典拠 なし
樹種 イチョウ
樹高 31m(注1)
目通り幹囲 9.7m(注1)
推定樹齢 伝承1000年(注2)
所在地の地名 鳥取県鳥取市馬場
 〃 3次メッシュコード 5334-11-58
 〃 緯度・経度 北緯35度27分55秒
           東経134度13分31秒
国指定天然記念物(1934年5月1日、「倉田八幡宮社叢」として境内林全体を一括指定)
撮影年月日 2010年9月25日

鳥取駅の南方3kmほど、県道292号(八坂鳥取停車場線)の東に倉田八幡宮が鎮座する。
 社号について、八幡宮関係者が設置したと思われる案内板では「くらだはちまんぐう」のルビが振られていたが、ここでは文化庁のWEBサイトに従った。
 ところで、同サイトで、天然記念物指定の理由を見て驚いた。
 「主トシテたぶのきヨリ成リ目通幹囲四メートル内外ノモノ少カラズ其ノ他ゑのき、むく、しひ等ノ大樹アリ たぶのきノ巨樹ニ富メル社叢トシテ著シキモノナリ」。
 なんと、タブノキの巨樹が多いということが最大の理由だったのだ。それには大イチョウのことも、今は枯れてしまったが、立派なギンモクセイのことも、まったく触れられていない。

指定時はどうであれ、今はこのイチョウが社叢の主人公だと思われる。
 神木の大イチョウは、拝殿の右後方(向かって左)。少し前までは、幹に直接触れることも出来たようだが、今は立ち入りを制限している。
 横枝を伸ばさず、すっと上空に伸びて、そこで枝を広げる姿は、カツラに似た感じ。
 近づいてみると、土壌の流失で露出した根が地表をのたうっている。大イチョウでしばしば見られる光景だ。このようなおどろおどろしい姿が1000年の樹齢を思わせたのだろうか。
 ただし、実際の樹齢については、株立ちの1本1本から判断すると、それよりも遙かに若そうに思われる。
 国指定天然記念物であるにもかかわらず、何故かこの大イチョウは、2010年9月現在、環境省巨樹データベースには登録されていない。




兵庫県朝来市の御神木

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名称 延応寺の大ケヤキ (えんのうじのおおけやき)
名称の典拠 天然記念物指定名称
樹種 ケヤキ
樹高 30m(注1)
目通り幹囲 8.6m(注1)
推定樹齢 伝承1000年(注1)
所在地の地名 兵庫県朝来市生野町口銀谷(くちがなや)(注2)
 〃 3次メッシュコード 5234-56-93
 〃 緯度・経度 北緯35度09分41秒
           東経134度47分09秒
兵庫県指定天然記念物(1990年3月20日指定)
撮影年月日 2011年5月15日

播但連絡道路生野トンネルの北口付近の高台に、高野山真言宗龍上山延応寺がある。
 朝来市公式WEBサイトの記述によれば、延応元年(1239)創建の古刹。播磨西国第14番霊場とされている。
 本堂の斜め前に立つ大ケヤキがすばらしい。
 太い幹を斜めに立ち上げ、多くの着生植物を纏っている。年老いたお爺さんがたくさんの孫、曾孫をおぶって子守しているようだ。
 主幹は途中で失われているが、現在も樹勢は悪くない。
 根元の木柱に「ふるさとの巨樹保存事業 平成十八年十一月三十日」と記されている。その年(2006)に樹勢保存手当がなされたのだろうか。
 これだけの大ケヤキには、滅多に出会えるものではない。ぜひ将来に残していただきたいものだ。




大阪府豊能郡の御神木

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名称 倉垣天満宮のいちょう
    (くらがきてんまんぐうのいちょう)
名称の典拠 天然記念物指定名称
樹種 イチョウ
樹高 23m(注1)
目通り幹囲 8.2m(注1)
推定樹齢 300年以上(注1)
所在地の地名 大阪府豊能郡能勢町倉垣
 〃 3次メッシュコード 5235-33-67
 〃 緯度・経度 北緯34度58分32秒
           東経135度28分04秒
大阪府指定天然記念物(1970年2月20日指定)
撮影年月日 2010年6月26日)

京都府亀岡市との境界近くに聳える歌垣山(553.5m)の西麓に倉垣天満宮が鎮座する。国道477号から見れば東側。町立歌垣小学校の背後にあたる。
 案内板によれば、天喜2年(1054)、領主源頼基(みなもとのよりもと)が京都北野天神の分霊を勧請、歌垣山頂に祀ったのが始まり。(そのため歌垣山は天神山と呼ばれることもある)
 明徳2年(1391)、別当の神宮寺が建立され、天正12年(1584)には神社も現在地に遷座した。山深い場所にあった神社が、祭事や参詣の利便のため、入口に当たる裾野に移るのは、よくあることである。
 明治の廃仏毀釈で神宮寺はなくなり、今は釣鐘のない鐘楼のみが残されている。
 天満宮の境内に大イチョウが立っている。途中から2幹に分かれ、2本ともたくさん葉をつけている。もしかしたら2本の合体木かも知れない。
 社記には、「嶄然(ざんぜん)として中天を突き、枝椏(しあ)四方に延びて郡内の大木なり」とあるそうだ。昔の人の語彙の豊富さには、いつもながら驚嘆させられる。ちなみに、「嶄然と」は他より一段と高く聳える様を表す形容動詞、「枝椏」は分枝を重ねる枝というような意味であろうか。「郡内の大木」どころか、2010年現在、環境省データベース上で、大阪府内では、ダントツでNo.1のイチョウ巨木である。
 ところで、天満宮の旧地であった歌垣山の「歌垣」だが、これは、いわば一種の合コンであった。古代においては言霊の力を競い合う宗教的な要素もあったようだが、時代が下るにつれ、若い男女の求婚活動としての色彩が強くなった。日時を定めて適齢期の男女が集まり、互いに求愛歌を交わしてカップルが出来る。なんと大らかな行事であったことか。
 この摂津歌垣山でも、その歌垣が行われたという。(Wikipediaの記述を参考)
 歌垣に臨むため歌垣山に登る若人も、このイチョウを見ただろうか。




奈良県宇陀市の御神木

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名称 高井の千本杉 (たかいのせんぼんすぎ)
名称の典拠 現地の案内板(注1)
樹種 スギ
樹高 45m(注2)
目通り幹囲 25.0m(注2)
推定樹齢 500~600年(注3)
所在地の地名 奈良県宇陀市榛原区高井(注4)
 〃 3次メッシュコード 5135-67-09
 〃 緯度・経度 北緯34度30分35秒
           東経135度59分48秒
奈良県指定天然記念物(1981年3月17日指定)
撮影年月日 2009年6月14日

高井から、サクラで有名な仏隆寺に向かう谷道に入ってすぐ、右手に上がる幅2mほどの舗装道路がある。これが旧伊勢本街道。この道が中垣内で別の道路に突き当たる直前、高井の千本杉の背後を通る。
 案内板によると、ここには1m四方ほどの井戸があった(現在、水は湧いていない)。その周囲に密植されたスギが生長し、支幹をも含めて互いに癒着して、今の姿になったらしい。地上1m地点では、全部で16本の幹があるという(数えてはみなかった)。
 注連縄を掛け、御神木として扱われているが、個人が所有しているようだ。所有者は「千杉(ちさん)白龍大神」として祀っているという。千本杉の名は、そこから付けられたのだろうか。
 嬉しいことに、訪問者が気兼ねなく見学できるように、一般開放してくださっている。
 しっかり癒着しているものだから、近くで見ても、合体木であることを忘れてしまいそうだ。
 樹勢も極めて良く、印象に残るスギ大樹である。




京都府相楽郡の御神木

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名称 八坂神社のスギ (やさかじんじゃのすぎ)
名称の典拠 天然記念物指定名称
樹種 スギ
樹高 25m(注1)
目通り幹囲 13.0m(注1)
推定樹齢 300年以上(注1)
所在地の地名 京都府相楽郡和束町中
 〃 3次メッシュコード 5235-17-53
 〃 緯度・経度 北緯34度47分57秒
           東経135度54分49秒
京都府指定天然記念物(1984年4月14日指定)
撮影年月日 2010年6月27日

和束川(わつかがわ。町名は「わづかちょう」だが、川の名は「わつかがわ」と濁らないらしい)左岸、谷を見下ろす小集落の高台に、八坂神社がある。
 祇園祭で有名な、京都東山に鎮座する八坂神社は、江戸時代まで延暦寺の支配下にあった神仏習合の霊地で、感神院祇園社と称していた。それが明治の廃仏毀釈で仏教色が廃され、社号も八坂神社に改めた。お釈迦様の説法地として知られる祇園精舎に通じる名を忌避したのだと思われる。しかし、権力が禁止しても、人々の心には、いまだ「祇園さん」の名前は残っている。
 この八坂神社はどうだったのだろう。かつてはここも祇園社と称していたのだろうか。大杉の方は、今もしばしば「祇園杉」と呼ばれている。
 ウラスギの仲間で、樹形は新潟県阿賀町の将軍杉を小振りにしたような姿である。
 案内板(設置者名、設置年月とも不詳)によれば、古い昔には主幹が1本そそり立つ普通の樹形だったが、何らかの理由で主幹が倒壊し、根元付近の8本の枝が支幹化したらしい。高台に立つこともあって、落雷の被害も再三だったようだ。幸い、致命傷になることはなかったようで、今も樹勢は悪くない。
 和束川を挟む斜面には茶畑が広がっている。もちろん、八坂神社の回りも。このお茶は、有名な宇治茶となるのだろう。訪ねたとき、刈り取り機の単調なエンジン音が大杉のところまで聞こえていた。
 ところで、左岸川沿いの道も決して広くないのだが、集落内の道はさらに狭く、駐車する場所もないので、車で訪問の場合は、どこまでも矢印に従って狭い道に入ってしまうと困ることになる。八坂神社は、川沿いの道から歩いても、いくらも時間はかからない。




滋賀県米原市の御神木

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名称 諏訪神社の乳銀杏
    (すわじんじゃのちちいちょう)
名称の典拠 なし
樹種 イチョウ
樹高 33m(注1)
目通り幹囲 6.9m(注1)
推定樹齢 300年以上(注1)
所在地の地名 滋賀県米原市上板並(注2)
 〃 3次メッシュコード 5336-12-19
 〃 緯度・経度 北緯35度26分00秒
           東経136度22分02秒
米原市指定天然記念物(1971年11月3日指定)
撮影年月日 2009年5月10日

乳イチョウは、大ケヤキの八坂神社からは、姉川を挟んで対岸。
 「ふれあい橋」で姉川を渡り、川沿いの林道を左に進む。案内板の類がないので、分かりにくいかも知れない。(杉林の中にイチョウの頭だけ、県道からも見える)
 林道脇に車を置き、小さな沢に沿って切られた諏訪神社の参道を50~60m登った所に立っている。
 姿は、自然のまま。枯れた部分も、元気がいい部分も混在している。「乳銀杏」の名のとおり、数多くの気根(乳柱)がぶら下がっている。
 周辺の薄暗い環境と相まって、少々おどろおどろしい威圧感を覚えた。
 こんな状況からアニミズムが発生するのだろうか。