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2018年3月13日火曜日

M2TECHの最先端、DACプリ&パワーアンプ YOUNG MkIIIとCrosby

 

 


■余計な付帯感なく音楽を精密に再現する

最初に、YOUNG MkIIIから筆者のシステムに繋げて聴く。一聴して、空間に舞い散る煌びやかな高音が強いイメージを残した。中低音は筋肉質で、余計な響きやにじみは皆無と言っていい。音楽を滑らかに聴かせるというよりは、音源の情報量をぼかすことなく精密に再現することに集中している。最近のDACは分解能だけでなく、中低域のエネルギーを乗せて積極的な押し出しを聴かせる製品が多いと感じるが、本機の音は上から下まで実にすらりとして小気味よい。ローカル、TIDAL MastersのMQA音源の再生も問題なく行えた。

続いて、アンプをCrosbyに変えて聴く。まずは一台で、ステレオモードを試した。それにしても静かなアンプである。スピーカーに耳を近づけても残留ノイズはほとんどなく、ここまで残留ノイズの少ないクラスDアンプは初めてだ。出てくる音はやはり静寂感に富み、細やかな中高音と引き締まった低音が特徴。女性ボーカルでは厚みよりも清潔感が先行する表現となる。少々硬質な鳴り方であり、切れ込みの良い音で分解能・駆動力共に十分ながら、ふくよかな表現とは方向が異なる。響きの豊かさや空間の広がりも控えめだ。音の傾向としてはYOUNG MkIIIと共通であり、精緻な箱庭的空間が構築される。

本機を知人宅に持ち込み、ソナス・ファベールの「Venere Signature」を鳴らしてみた時も、スピーカーに音がまとわりつくことのない駆動力を確認できた。

続いてCrosbyを二台使い、ブリッジモードで聴いた。駆動力に大きな向上が感じられ、筆者宅のディナウディオ「Sapphire」が俊敏に鳴る。とにかく曖昧さのない音で、音楽の彫りを深々と描くという印象を受ける。ステレオモードに比べて空間性の向上も感じられる。よほどの難物でもない限り、本機のブリッジモードで駆動するスピーカーから鈍重な音が出てくることはないだろう。


YOUNG MkIIIとCrosbyの組み合わせは、ごくシンプルでありつつ、最先端の機能と優れた再生品質が両立する。そしてコンパクトなサイズのおかげで、デスクトップから本格的なオーディオルームまで、ユーザーの環境を問わず活用可能。ファイル再生を志す全てのオーディオファンに良い音で音楽を楽しんで欲しい。そんな想いを随所に感じる、M2TECHからの贈り物のような製品だ。
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